飲食店を開業するには保健所への申請や行政への届出など、様々な手続きが必要です。
ここでは、飲食店を開業するにあたって最低限必要な申請・届出について説明します。
食品衛生責任者と飲食店の営業許可証
飲食店等を開業するにあたって、食品衛生法に基づき保健所の飲食店営業許可申請が必要です。
また、飲食店には各店舗に『食品衛生責任者』を設置することが義務づけられています。
食品衛生責任者
飲食店にはお店ごとに『食品衛生責任者』を設置することが義務付けられています。
食品衛生責任者は調理師・栄養士・製菓衛生士のいづれかの資格者ですが、もし資格者がいない場合には、開業地管轄保健所が実施する食品衛生責任者の講習会に参加し合格することが必要です。よって、飲食店を営業するのに調理師免許が必ず必要というわけではありません。
飲食店の営業許可証
飲食店を開業するにあたっては食品衛生法に基づき保健所の飲食店営業許可申請をし、許可を受けることが必要になります。
申請・許可は開業地の各都道府県知事の管轄によって異なります。
また、深夜営業(午前0時~)において酒類を提供する場合は別途『深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書』を所轄の警察署を窓口に提出し、公安委員会の許可が必要です。
飲食店営業許可申請の手続き
事前相談・計画
申請・許可の細かな部分(基準)は開業地の各都道府県の管轄によって異なるため、施設の50分の1程度の平面図を持って開業地管轄の保健所へ一度相談するのをおすすめします。
問題があって申請書の受領が遅れると開店が遅れたり、余分な出費が必要になってしまうかもしれません。
申請書提出
食品営業許可申請に必要な書類
- 食品営業許可証申請書1部
- 営業設備の概要2部
- 申請者の印鑑(個人申請で自書する場合は不要)
- 登記簿謄本の写しと法人代表者印(法人申請の場合)
- 食品衛生責任者の資格を証する書類(修了証など)
- 食品衛生責任者 調査票
- 食品営業許可申請手数料
- 検便(パート・アルバイトを含む調理従業者全員分)
営業許可申請は開業予定日の10日前までを目安に提出することをおすすめします。
立ち入り検査
申請書を提出したら保健所の職員による立ち入り検査があります。
お店の準備は必ず検査日までに完成させることが必要です。
不備があった場合は再検査になってしまいます。
許可証の受領
立ち入り検査に合格すると約1週間後に許可証が交付され、そこで初めて営業を開始することができます。
行政への各種届出書類
飲食店を開業したら、税務署など行政へ開業したことを届け出なければいけません。
税務署への届出書類(個人事業で青色申告を希望)
- 個人事業の開業届出書
- 給与支払事務所等の開設届出書
- 所得税の青色申告承認申請書
飲食店に関係する法令
近年では企業の社会的責任やコンプライアンスへの取り組みに注目が集まっており、飲食店においても法令対応などは欠かせません。
飲食店の主な関係法令は以下の通りです。
法令名 | 内容 | 届出・相談先 |
---|---|---|
食品衛生法 | 管轄する保健所に飲食店営業の届出が必要になります。 | 保健所 |
食品リサイクル法 | 食品廃棄物等の発生抑制や再生利用などに取り組むことが求められます。 | 農林水産省 |
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 | 深夜に酒類を提供する飲食店は、届出が必要になります。 | 都道府県公安委員会 |